オンラインインターンシップ体験談:異文化交流を支援する団体

筑波大学人文・文化学群人文学類 3年生(参加当時) 髙橋明日香さん

参加理由

理由は大きく2つです。1つは去年1年間、コロナで生の英語に触れる機会が激減してしまったので、海外の方と英語で話したかった、ということ。もう1つは、インターン募集の要項をウェブサイトで見たときに、自分が将来携わりたいと思っている国際交流に関するNPO団体からの募集があったこと。英語で、海外の自分の関心のある分野の業務ができるということに魅力を感じて参加しました。

参加する前に思っていたこと

オンラインインターンということで、十分なコミュニケーションが取れるか不安でした。同じ空間を共有しているわけではないので聞きたいことがすぐに聞けなかったり、ミーティングが終わってしまうと、雑談だったり移動の時間だったりというものはリアルと違って存在しないので、必然的にコミュニケーションの機会が減ったりするのでは、と思っていました。
実際にインターンシップが初めてみると、そういう部分もありましたが、逆にその分、業務中に集中して英語を用いたり、テキストでのやりとりが盛んに行われたりしていて良かったです。

インターンシップについて

実習先の日々の仕事

日本語学習中のアメリカの高校生の
ためのイベントの企画・運営に参加

任された業務は主に、日本語のクイズの作成、そのクイズをイベントで使用するパワーポイントにまとめること、既にある資料の日本語への翻訳、でした。
インターンシップが始まる前に、受入れ先の方と面談をする機会があったのですが、そこで自分の取り組む業務について丁寧な説明があったので、実際の業務はイメージしていたとおりのものでした。
私は週3日インターンをしたのですが、毎日1回あたり30分~1時間程度のミーティングがありました。そのうち2回はメンターの方とのミーティング、もう1回はプロジェクトの状況や進捗確認のために10人弱程度の人が集まって行う、全体ミーティングでした。私の携わったイベントは、アメリカ全域で並行して行われるものだったので、他地域のヘッドの方もいらっしゃっていました。発言機会は多くはなかったですが、すごくリスニングのトレーニングになりました(笑)。
日々のコミュニケーションはメールだけでなく、Slackのチームを立ち上げてそちらで連絡をとって業務の進行状況をチェックしていただきました。

業務としてSNSの文章作成にも挑戦

加えて、「何かやってみたいことはない?」と聞いてもらえたので、実習先で企画中の他のセミナーの内容について提案させてもらいました。具体的には、東日本大震災後にアメリカ軍によって行われたOperation Tomodachi(トモダチ作戦)の10周年イベントについて、この10年間の日米間の関わりやお互いの意識の変遷など、イベントで取り扱う議論のテーマを提案しました。Operation Tomodachiのことやイベントの内容はもちろん、国と国とのことで、両国のお偉方が参加するセミナーなのでセンシティブな部分もあり、その取捨選択をどう考えるべきかなども、いろいろと勉強になりました。こういったことは初めての経験だったので、メンターの方のアドバイスをあおぎながら、自分としてはとても頑張りました。

実習で印象深かったこと

もともと英語で作られた資料を日本語に訳す際、その受け取り手である日本語学習者のレベルに合わせて、最適な資料を作成することを学びました。この表現は難しすぎないか、この言い回しは日本語ネイティブの私たち特有の言い回しではないのか、と配慮することが求められたのです。例えば「もし、日本に”行けるとしたら”どこに行きたいですか?」という表現は、日本語特有の慣用的な表現で、ネイティブでない方にとっては”行くなら”と簡潔に訳した方が理解し易い、というようなことです。
自分はこれまで無意識に「自然な日本語」を重視していたように思うのですが、自然であることよりも、受け取り手のことを意識して彼らが理解できるかをより重視することが必要なんだと気がつきました。

実習中に最も努力したこと

クイズ中に出てきた日本の文化について、歴史や定番、流
行など、更に詳しく知れるサイトのリンクをまとめました

イベントでの発表です。
これは、イベント用のクイズを作成している中で「もっとインタラクティブに関われる機会が持てないか?」と思い始めメンターの方に相談したところ、「それなら発表してみる?」と機会をいただけました。そこで、クイズに出てきた事柄、例えば日本の映画や音楽について、さらに理解を深めてもらうために、より発展的な情報のソースをまとめて紹介する発表を行いました。
周囲は英語ネイティブのアメリカ人の方ばかりで私だけが日本人という場で発言するということがほぼ初めての経験だったのに加え、そのアメリカ人の皆さんは自分より年下の高校生ということで緊張感がありましたが、頑張りました!

本プログラムを体験してみて

本プログラムで得られたことと、今後の活かし方

新しい経験を通じて得たことは、日本文化・日本語に関心のある方々に、自分主体ではなく受け取り手・相手主体で考えることができるようになったことです。
将来も文化交流に携わっていきたいと思っている中、アメリカ人であるメンターの方との議論を通して、日本のソフトパワー・・・例えばアニメやマンガのような、分かり易く商業的な文化を伝えるだけでは、それはひょっとしたら真の意味での文化交流にはなっていなくて、ステレオタイプを与えるだけになってしまうのではないのか?、という新たな視点も得たので、今後はそこも意識していきたいと思っています。
また、英語を使用しての実務を初めて経験し、英語学習に対するモチベーションも高まりました。

このプログラムを後輩や友人に薦められそうですか?
Yesであれば、その方々へメッセージをお願いします!

Yes!
「オンラインインターンにどれほどの価値があるんだろう?」とお考えの方へ、業務を通して何か実現したいこと・取り組んでみたいことはありますか?もしあるなら、そこにはやってみる価値があると思います。Lighthouseの方をはじめ、インターン受け入れ先の方々も、あなたの意思を尊重しながらサポートをしてくださいます。今いる環境を最大限活用し、オンラインだからこそ学べることを体験してみてください。
私は大学で留学サークルに入っているのですが、そこで既に自分の体験を後輩たちに話しています(笑)。また、大学で紹介されたプログラムなので、今後も機会があれば学内でそんなことを発信し続けようと思っています。


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